2022年9 月第3 四半期

北米

当四半期の北米におけるブチルグリコールの市況 は、アジアとほぼ同じでした。米国におけるブチルグリコールの価格は、主に製造用原料であるノルマルブタノールと酸化エチレンの価格 下落の影響を受けました。また、トイレタリー製品と塗料用製品の製造会社では、夏場の繁忙期で人手が足りず、生産活動が限定的で、 生産量も控えめであることから、同製品の市場ニーズは限定的であることが判明しました。従って、当四半期の米国におけるブチルグリコールの市場は冴えないものとなりました。

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アジア太平洋

当四半期は、アジア・パシフィック地域全体でブチルグリコールの市況が下落しました。中国におけるブチルグリコールの価格下落は、様々な要因によるものです。当四半期の前半における価格低下の主な要因は、アジアの原油市況が後退し、原油の上流価格が下落し たこと、と各省庁がロックダウンを実施したことによるものです。しかし、ブチルグリコールの生産業界や同製品を生産活動に使用する塗料・トイレタリーメーカー が、深刻な電力不足により生産の完全停止や大幅な減産を余儀なくされたため、8月半ばには同製品の価格は下落しまし た。当四半期のインドのブチルグリコールの市場規模は、中国と同程度でした。原油価格の下落や川下分野での需要低迷が製品価格に影響しました。このため、当四半期のインド市場は、CFR-JNPT基準で1,742米ドル/トンで取引を終えました。

ヨーロッパ

当四半期のブチルグリコールの市場は、アジア・太平洋地域とは逆に、欧州に集中しています。この製品のコストは大幅に上昇しました。これは、ロシア・ウクライナ紛争の影響でエネルギーコストや生産コストが上昇し、川上企業（n-ブタノールや酸化エチレン製造会社）の生産量が低下したため、同製品の供給が追いつかなくなったことによるものです。川下企業もこのような状況を懸念しており、控えめな需要に留まった。

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